明庭
仇遠は、瑝瓏の各地を渡り歩く孤高の剣客。冷然として剛毅、信義一途にして二心なし。布衣の侠は、世にその名を轟かすことも望まず、高き座に就くことも求めず。ただ願うは、手中の剣が砕けず、然るべき道に則って振るわれることのみ。
突如として周囲に風雨が吹き荒れ、竹の葉が舞い始める。彼は息を殺して精神を研ぎ澄ませ、手にした刃の先には冷たい光が迸る。刹那、敵の心境と隙を看破し、迅速に引き抜かれたその剣が、跡も残さず相手を消し去る。